sasshinoyoberu’s blog

よしのももこ&冊子のヨベル

7/2日曜日のさえずり

今日は新しい小説のゲラを返送した。3分冊の1冊目。わたしの書くものには「仕上がりのかたち」のようなものがないので、組んでもらって読むとそのつどあれっ? と引っかかるところがある。それはたぶん書いたときと読んでいる今のわたしが別のものになっているからで、それをいちいち直していたら永遠に終わらない。だからどこかで区切ることになる。

今つくってる本は、関わってくれている人が2人だけだから、わりとギリギリまで動かし続けさせてもらっている。2人というのは、わたしにこれを書いてほしいと声をかけてくれた人と表紙の版画をお願いした人で、この顔ぶれじゃなければこんなやり方ではできていないだろう。声をかけてくれた人が声をかけてくれたのは、もう3年近くも前の話だ。

売れっこ作家じゃあるまいし、売れる見通しなんかひとつも立っていない本を3年もかけてつくるなんて、声をかけてくれた人もわたしもたぶんどうかしている。「計算」をしてしまえば何ひとつ合ってない。

こんなことができる位置にたまたまわたしはいる。たまたまいるのだからやるのみだ。