わたしは雇われることは苦手だけど働くのはそんなに嫌いじゃない。お客さんの応対をしてものを売るのも結構すきだ。いまはささやかな直売所をひらいて毎日たまごを売っているけど、まず誰よりもわたしがうちのメンドリの産むたまごがだいすきだから売っていてそこに嘘がない。数を売ることが目的じゃないから、ノリで買ったはいいけど食べない、みたいな人には売らないようにしたい。ノリで買う人を出現させないためには告知を最低限にして煽る系の宣伝をしない、評判にならないようにするのがいい。たまごがおいしいことを売るわたしがわかっていればそれでいい。みんなもおいしいたまごが食べられてよかったね、と思いながら毎日たまごを売っている。それはたぶん本も同じだ。みんなもおもしろい本が読めてよかったね、ノリで買ったはいいけど読まない、みたいな人にはなるべく見つかりませんように
