sasshinoyoberu’s blog

よしのももこ&冊子のヨベル

ザラマンゥに覚えがある人の手に渡るかどうかについて

『ジドウケシゴム』を冊子にしてから半年近く経った。冊子にしてからほとんど通しで読んだことがないからあの本のあの場でどんな動きが生まれているのかもうあまりよくわからない。

山下さんも紹介文で書いてくださったようにあの小説はザラマンゥの語りでできている。ザラマンゥのことを知っている、知っているというか覚えがある人はこの世に結構いると思う(そこでは《それ》は「ザラマンゥ」という音で呼ばれてはいない)けど、ザラマンゥの動きを書こうとした人に出会ったことはわたしの知る限りでは今までなかったから、あれを読んで、ザラマンゥの動きを見てそれを文字で書こうとした人間がここに少なくとも1人いるってことを知って、何かが動く人は必ずいるだろう。それがいつ起こるかはさておき。

ザラマンゥに覚えがある人の手にこの冊子がちゃんと渡るかどうかについてはわたしはわりと楽観視していて、あまり心配していない。ただ、わたしがうっかり紛れ込ませてしまった作為のようなものがその発動の邪魔をしたりしないように、これはもう祈るしかないけど、邪魔しちゃったらしちゃったでそれまでということでまたやればいいのだからそれもあまり心配はしていない。