sasshinoyoberu’s blog

よしのももこ&冊子のヨベル

どうせペテンにかけるなら

一緒にものをつくっていて意見のやり取りにツイッターのDMを使うことがある人がいたのでアカウントを消したことを報告したら、その人もいろいろ違和感があって嫌だなと思いながらも宣伝には便利なツールなのでやめられずにいる、と話してくれた。

ブログは見る気で自分からわざわざ開いてくれた人にしか読まれないから、このブログも1日平均1ケタ台の人しか読んでいない。ここでなにかの告知をしても「宣伝効果」はほとんどゼロだろう。その点ツイッターはいろんな人のタイムラインに勝手に流れていって自動的に「見られて」いたし、おっ、となる人がいればリツイートされたりして「見られる」回数がばばばばとたちどころにふくらんでいったから確かにあれは宣伝を流すのにはもってこいで、流すのも目にするのも無料だし別に強制ではないからみんな気軽にやっていた。「拡散」とかいう言葉を当たり前みたいに使いながら。

無料で、おもしろいことや感度の高いアンテナにビビッとひっかかるようなこと、狙った人の心を動かすようなことを書いて書いて書きまくって興味を持たせて最終的にはつくったものにお金を払ってもらう。そんなものであの場はあふれていたようにわたしには見えた。「払う気ある人だけ払ってくれればいいですよ」と、あくまでも読んだ人が「じぶんのいし」で選べるってことになってるけど、垂れ流しの情報を拾うでもなく拾い続けている人をつついて焚き付けまくってその気にさせておいて「じぶんのいし」も何もあったもんじゃない。

ははは、私はペテン師ですからね!生きていくには金が要るんすよ!とあけっぴろげならばすがすがしくもあるけど、どうせペテンにかけるなら生身でやらなきゃつまらない、インターネットなんてせこい増幅装置つかってないで、一対一で釣りあげなきゃ嘘だよ、というのがわたしのどこかにあって、それは無視できない。フルオープンなのに誰にも読まれない場所はわたしにとっては貴重だ。わたしは世界を変えたくなどない。見え方は毎瞬変わっていることをちゃんと体験したい。それには静けさと時間が要る。