sasshinoyoberu’s blog

よしのももこ&冊子のヨベル

ふつーに3年待っていた

お金の計算ができない人にしか、ひとから依頼されて書き始めたものを先の見えないまま3年も書き続けるなんてことはできない。それかお金の計算がめちゃめちゃ得意な人たちが寄り集まって作戦を練って、目に入らぬかァー!ってあの「例の印籠」みたいに作家の名前をかざせば何十万もの人々がハハァ〜!とこぞって書店に買いに走るような「信頼と実績」をしっかりつくったりすれば何年かかろうが誰も文句は言わないというか宣伝文句としては3年じゃ弱いっすよガハハみたいなことになるのかもしれない。よくしらないから適当に書いてるだけだけど。

印籠持ちでもなんでもないただの生活者であるわたしに本を書いてと言ってきた虹霓社の古屋さんは、前にも書いたかもしれないけどふつーに3年待っていた。わたしが急にこれ最初から全部やり直しますね!!って言ったときもピリついたものはゼロだったし、ぜんぜん別の小説書いちゃったんで冊子にして自分で出しますって言ったときなんか組版まで手伝ってくれた。腹の底ではお前いい加減にしろよと思っていたのかもしれないけど笑

わたしはこんなのわたしの手に負えるわけないし!!と何度もなってそのつど連れ合いにいいから黙っていったん最後まで書け、負えるか負えぬかはそれから考えればいい、っていうかこんな黙って待っててもらえることなんてそうそうないよ?と(播州弁で)なだめられ、結局ふつーに3年書き続けた。古屋さんには最初からこれはふたりでバクチを打ってるだけですからそこ間違えないようにしましょうね、もし儲けが出たらそのときは山分けしましょう、と伝えてあったけどほんとにその設定のまま3年やれたのは幸運だった。幸運な事例(小)があちこちに転がっているほうがきっと息はしやすい。

3年やったものがこちらになります。本です